フィラリア予防してますか?本当は怖い犬の病気【予防第二弾】

犬の病気予防

皆さんこんにちは、獣医師のジマです。

皆さんは、ワンちゃんのフィラリア予防をやっていますか??

犬のフィラリアって何??

フィラリアは、犬糸状虫によって引き起こされる。寄生虫症です。蚊によって、他の犬から犬へと媒介していきます。蚊の出る春から秋に、月に一回薬を内服することで予防することができます。

犬糸状虫は血液の中で成長する寄生虫です。フィラリアに感染した犬を蚊が吸血したときに、フィラリアの幼虫である、ミクロフィラリアが蚊の体内に取り込まれます。ミクロフィラリアは蚊の体内で2度脱皮し、感染力のあるL3幼虫へと成長し、蚊が健康な犬に吸血することで感染します。

犬の体内に侵入したミクロフィラリアは、さらに2回脱皮し、L5幼虫となり、犬の静脈内へと移行していきます。最終的に、肺動脈に寄生して成虫となり次の世代のミクロフィラリアを生産します。

フィラリアは心臓病を引き起こす!!

寄生虫感染症で心臓に障害が起きると知っていた、飼い主さんは少ないのではなかったのではないでしょうか。フィラリアによって引き起こされる心臓病のことを犬糸状虫症と呼びます。

なぜ、犬糸状虫症が起こるのでしょうか??

犬糸状虫に感染しても、長い期間なんの症状も示さないワンちゃんが大半です。しかし、大量の犬糸状虫に感染したワンちゃんでは命に関わる重篤な症状が出てきます。

動物の血液は体の中をどのように流れるのでしょうか?

左心をでた血液は動脈を通って、体中の臓器に運ばれ、静脈を通って、右心に入ります。右心から肺動脈を通り肺で新しい酸素を血液に満たします。肺から肺静脈を通って、左心に戻ります。

肺動脈に犬糸状虫が大量に寄生すると、血液の流れを妨げ肺動脈狭窄がおこります。せまっくなった肺動脈に十分な血液を送るために右心は、頑張ります。その結果右心肥大が起きてしまいます。右心肥大をしても十分に血液を送れなくなってしまうと、血液の流れが悪くなり、腹水が出てくるようになります。この段階まで来てしまうとかなり重度の犬糸状虫症といえます。

フィラリア症の症状

・咳

咳は、肺動脈や肺に侵入したフィラリアの刺激により引き起こされます。

・活動性の低下

心機能の低下により引き起こされます。

・失神、呼吸困難

重度の心機能低下による血流量の低下により引き起こされます。

治療法

フィラリアの治療には、外科的な手法と、内科的な治療に分かれます。

感染初期であれば、薬による治療が可能です、成虫駆除薬(メラソルミン)を投与後、幼虫駆虫薬(アベルメクチン)を投与することで体内のフィラリアを駆除することができます。

一方で、慢性のフィラリア症の治療は外科的処置が必要になります。慢性症例に対して、駆虫薬を利用すると、虫の死骸が血管内につまり最悪死に至ります。外科的処置は、つり上げ法と呼ばれる方法が主流です。血管内に、先端で虫を挟むことができる道具を入れ、虫をつまみ上げます。

予防方法

予防薬を投与する前に、感染していないかの確認は重要です。感染の確認は、血液を1滴採取し、顕微鏡で観察し、ミクロフィラリアが血液の中にいないことを確認します。

予防薬には、イベルメクチン系が多く使われます。蚊が発生する春から秋まで毎月1回予防薬を飲むことで予防することができます。

感染すると時に重篤な症状を示し、命に関わるフィラリアですが簡単に予防することができるので、是非毎年予防してあげてくださいね!! 

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