【犬・猫のアセトアミノフェン中毒】解熱剤を飼い主の判断で絶対与えてはいけない理由

犬の病気予防

こんにちは、獣医師のじまです!!

最近、投資のことばかり記事にしていたので、僕が獣医師であることを忘れてしまった読者さんもいるのではないでしょうか!?

今日は、命に係わるアセトアミノフェン中毒についてお話します。

アセトアミノフェンってなに??

アセトアミノフェンと言われてわかる人は、医療従事者か、よっぽどの頭痛持ちの方くらいでしょう。

アセトアミノフェンとはこれです

こんな図見せられてもわからないですよね・・・

安心してくださいこの化学式を見て、アセトアミノフェンとわかる獣医師は、ほとんどいないと思います(僕もわかりません)

アセトアミノフェンというのは非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)と呼ばれるお薬です。

NSAIDsは炎症を引かせて、痛みを和らげてくれる効果があります。

人用医薬品として主に鎮痛薬・解熱剤として使われています。

アセトアミノフェンを含む薬

  • 新セデス錠
  • パブロンゴールド
  • バファリン
  • ロキソニン
  • ルル
  • カロナール  など

どうですか??

皆さんも1度は飲んだことがあるお薬だと思います。

※上記にないお薬は、飲ませても大丈夫というわけではありませんので注意してください。

犬・猫のアセトアミノフェン中毒

人では有効な薬でも、犬や猫にとっては有毒の場合があります。

特に猫のアセトアミノフェン中毒は少量で命にかかわります。

動物病院でもNSAIDsの取り扱いはありますが、いずれもアセトアミノフェンが含有されていないものを使用しています。

アセトアミノフェン中毒になる原因

原因は大きく2つです

①誤食

部屋に落ちていた薬を誤食してしまったり、棚にしまってあった薬を猫が勝手に出してしまって、それを誤食するケースがあります。

②飼い主が知らずに飲ましてしまう

犬の玉ねぎ中毒、チョコレート中毒は飼い主さんにも浸透しつつあります。

一方で、猫のアセトアミノフェン中毒はまだ十分に浸透していません。

飼い主さんがペットの熱っぽさを感じて、自己判断で、人用の解熱剤を与えてしまうケースがあります。

症状

アセトアミノフェンはメトヘモグロビン血症溶血性貧血を引き起こします。

血液の役割の一つに酸素を運ぶ機能があります。その機能を担うのがヘモグロビンと呼ばれる物質です。

アセトアミノフェンはヘモグロビンに酸素をくっつけて(酸化)、メトヘモグロビンを作ります。血中のメトヘモグロビン濃度が上昇すると酸素が運べず低酸素血症となってしまいます。

また重大な肝機能障害を引き起こすことがあります。


初期の症状として以下の症状がみられます

  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 流涎(よだれがダラダラ)
  • チアノーゼ(舌が紫色になる)
  • 黄疸(口腔粘膜や結膜が黄色になる)

治療

薬を誤食した可能性がある場合は、第一に吸収される前に吐き出させることが有効になってきます。

誤食を疑った場合はすぐに近隣の動物病院に行き、催吐処置を行ってください。

すでに吸収してしまい、症状が出てしまっている場合は、酸素吸入と輸血などの治療が必要になってくる場合があります。

最後に

猫にとっては、1錠の量で致死量のアセトアミノフェンが含有している場合があります。

少量だから大丈夫、少し様子を見ようではなくすぐに病院に行きましょう。

また、解熱剤以外でも、飼い主の自己判断で薬を投与するのは絶対にやめましょう。

病院に行く時間や手間を惜しんだばかりに大切な家族に何かあっては悔やみきれませんよね??

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