3年間勉強しても卒業までまだ半分って大変そうだね
3年生まではいわゆる臨床科目は全く勉強していないからね。
ここから、残りの3年間で臨床関係の科目も勉強していくんだよ
臨床科目が入ってきたらますます大学生活が大変になりそう。。。
こんにちは、獣医師のジマです。前回の【大学生活】獣医学生の勉強って【前編】に引き続いて、今回は、4~6年生の獣医学生の勉強について触れていきたいと思います。
臨床科目・公衆衛生科目がいよいよスタート【大学4年生】
いよいよ、臨床科目が始まります。臨床科目は大きく小動物内科、小動物外科、大動物内科、大動物外科に分かれます。小動物と大動物の両方を満遍なく勉強していきます。そのほかにも、補助科目として、麻酔や救急についても勉強します。
4年生では臨床科目に加えて、公衆衛生学や衛生学といった、獣医学の側面から人の食の安全を守る分野についての勉強も始まります。
なぜ、公衆衛生を学ぶの?と、疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
実は獣医師の仕事は、動物病院のお医者さん以外にも幅広い分野に需要があります。畜産動物の健康を守り、畜産業従事者の生活を守る獣医師や、製薬会社に勤務し新薬の開発に使用される実験動物の管理を行う獣医師、公務員獣医師として国・地方に就職し、食肉や、鶏卵の品質検査を行う獣医師などです。特に公務員獣医師には公衆衛生に関する深い知識が要求されます。
公衆衛生学では、食中毒について勉強したり、汚水の処理方法について勉強したりします。僕は最初から、小動物の臨床獣医師になること以外考えていなかったため、この授業に対するモチベーションを維持するのが大変でした。逆に公務員獣医師を目指していた子たちには、臨床科目が大変だったみたいです。
臨床科目は、範囲が膨大でした。小動物の内科の教科書だけでもページ数は600ページを超えます。加えて外科学、大動物といくら勉強しても終わりはありません。また、教科書に載っている病気は、一般的に見られる病気が多く特殊な病気については記載がほとんどありません。獣医学の深さを臨床科目を通じて学びました。
4年生になるころには多くの大学で、研究室に所属し2年後の卒業論文のための研究も始まります。医学部や歯学部では卒業論文は選択科目に含まれたり、卒業論文を書かない大学も多くあります。しかし、獣医学部では全ての大学で卒業論文が必須になっています。みんな授業を終えた後に研究室にむかいそこで担当教員に師事を仰ぎながら研究を行います。この研究室が、かなり曲者で、研究で予想した結果が出ないと条件を変えて何度も繰り返したりして、泊まり込みになる日もありました。
ひたすら臨床科目を勉強【5年生】
4年生から始まった臨床科目は、当然1年で終わることはなく、5年生になっても続きます。4年生の臨床科目は総論でしたが、5年生は各論を学び一つの病気についてより深く勉強していくことになります。外科は整形外科と軟部外科に細分化し、内科も、循環、泌尿器、呼吸器など細分化していきます。勉強の内容は細かく、暗記量も多かったですが臨床志望の僕は、5年生の勉強が一番楽しかったです。
授業はほとんどない【6年生】
6年生はほとんど授業がありません!!学生生活の思い出作りに最後の一年は遊びまわります!!
嘘です!!!すいません、授業がないのは本当ですが、遊ぶ暇もありません。6年生は、就職活動、卒業論文そして、国家試験の勉強にと大忙しです。
卒業論文は3年間の研究で得たデータをまとめ、その結果から最初に自分が立てた仮説が正しかったのかを考察していきます。だいたいの人は4年生の時に立てた仮説の違いから、論文のまとめ方に苦労していました。担当教員に、論文を提出し赤字だらけになった論文を返してもらい修正するといった作業を何度も何度も繰り返します。やっとの思いで論文を大学に提出すると次は、論文発表を行います。この論文発表では各分野のスペシャリストである先生方から、鋭い質問やダメ出しが飛んできます。これらを耐えきれば晴れて卒業に必要な単位がすべて揃い、卒業予定者となることができます。
卒業予定者になると国家試験を受けることができます。国家試験は2月に行われるので、卒論発表が終わると獣医学生は勉強モードになりみんな朝から晩まで勉強します。国家試験の時の様子はまたブログに書きたいと思っていますのでお楽しみに!
6年間を終えて
獣医学部での学生生活を終えて思ったことは、1つの分野についてここまで広がりをもって深く勉強することは楽しいことなのだとおもいました。獣医学部の目標は、獣医師となったあと生涯を通して勉強していく体力を身に着けることなのだと思います。
勉強は大変ですが、6年間一緒に学んだ同期は大切な友人になります。是非、大学生活を楽しんでください!
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